はじめに

美容整形外科の開業医の年収は4000万円程度ではないかと思われます。

美容整形外科は自由診療ですので、施術・カウンセリング・アフターフォローなども含めて院自身が価格を決めることができますので、当然ながら稼ぎやすくなります。

また美容整形外科の多くは東京都心やその郊外・神奈川・愛知・大阪など、物価の高い政令指定都市にあります。残りは、ある程度の都市といえる県庁所在地に少しある程度で、美容整形外科自体がほとんど存在しない県もあるのではないかと思われます。

美容整形外科は数的にも圧倒的に都市部に集中しています。また求人も当然ながら都市部で求人が多くなっています。地方でも求人がないという訳ではないのですが、やはり圧倒的に東京などの都市部で多いのではないかと思われます。

美容整形の患者さんの大半は女性ですが、女性は進学や就職を機に「もっと綺麗に思われたい」という気持ちを持っている方は少なからずいます。そのような方のニーズを叶えようというところからも高額な費用を取るところが多いです。

これらの理由から美容整形外科の開業医の年収が4000万円近くなるというのも頷けます。

ただ美容整形外科は医師業界で見れば異端。業界から見るとビジネスライクと揶揄されることもあるでしょう。そのような外野の文句を一蹴して稼ぐことに集中するという強い気持ちを持つことができれば、開業医としても成功できる可能性が高くなるのかなと思われます。

勤務医の年収との比較

美容整形外科は勤務医の年収もかなり高くなっています。医師3年目くらいで研修医を卒業したばかりの医師でも2000万円程度をもらっている方もざらにいるようです。さらに経験を積んで30歳過ぎくらいとなりますと、3000万円程度を稼いでいる方もいます。

さらに総合病院勤務で10年程度の経験のある方だと4000万円台に突入する方もいるようです。内科や整形外科などの他の科に比較しても美容整形外科の魅力は圧倒的な年収の高さといえます。

こうして考えてみると美容整形外科に限っては、開業医と勤務医の年収に思ったほどは大きくないのかなという印象を受けました。

自由診療ということで、収入の上では業界の縛りが少ない美容整形外科はやはり稼げそうです。この点は大きな魅力といえるでしょう。

美容整形外科の都道府県別の開業医の年収

都道府県別の開業医の年収自体のデータがないので現在調査中です。

ただ医師全体の年収で見ると岩手や宮城などの東北地方が高く、富山や福井などの北陸地方で低めになっています。医師の需要度や医師の平均年齢が高い地域では、比較的年収が高い傾向にあるようです。

サラリーマンや自営業者などの年収の高い東京・大阪・神奈川・愛知なども決して高い方ではありません。「一般人が稼げる地域=医師が稼げる地域」という構図は基本的に当てはまりません。

開業には少なくても7000万円程度はかかりそう


開業医として病院の勤務医から医院を開業するとなると少なく見積もっても5000万円、普通に考えると7000万円から8000万円程度かかりそうです。

美容整形外科は自由診療が可能ですので、悩みを抱える患者との出会いが多くあれば相応の収入が見込めるでしょう。ただ、患者さんや売上の増加に伴い、訴訟などのリスクを覚悟する必要もあります。

開業するとなると土地や建物などの箱物が必要になります。また検査器具や診察用具などの医療機器一式もそろえなければなりません。
さらに看護師やレントゲン技師などの専門家も必要になります。それでも手が足りずに家族などに受付や会計などの事務を手伝ってもらう必要が出てくるかもしれません。

そして開業コンサルタントなどに開業サポートを頼むとさらに500万円から1000万円程度の資金がかかります。いくらお金があっても足りないかなと思われます。

開業医になると経営者になります。最初は銀行からの借り入れも必要になります。ある程度医院が稼げるようになってもスタッフの給料と借り入れの返済で、開業医自身の報酬がほとんど手元に残らない可能性も高くなります。

勤務医時代と変わらず忙しいにもかかわらず、年収は勤務医時代の数分の1になってしまう方も多くいるのではないかと思われます。

実際に都市部の開業医は、開業後2年から数年で医院をたたんでもう一度勤務医に戻ってしまう方も多くいます。

開業をするにはかなりの決心と覚悟が必要になります。

患者にも医師にもかなりのリスクを伴う

美容整形外科は、二重瞼手術・しわやたるみをなくす手術・シリコンなどを入れる豊胸手術・脂肪吸引・痩身などの手術はもちろんのこと、眼のレーシック手術を行っているところもあります。

たしかに美容整形外科の手術は成功すれば、外見の見栄えが良くなることは間違いありません。

ただ手術は成功しても、肌が突っ張る・目が重い・最初は視力が良かったものの徐々に落ちてくる、などのリスクが伴います。

手術の失敗により現状以下の状態になってしまうこともしばしばあります。明らかな過失があれば再手術などの方法もありますが、場合によっては示談や裁判などのトラブルに発展することもあります。

美容整形に携わる医師としてはこのようなトラブルにあまり巻き込まれないようにすることが最善です。訴訟などで賠償などを逃れたとしても、世間にこのような印象を残すのは避けたいですし、精神的にも大きなダメージを受けてしまいます。

患者さんにとっては美容整形外科医との出会いによって将来の運命が変わってしまうと言っても過言ではありません。
このようなことにならないためにも、手術前の丁寧な説明・手抜きをしない手術・術後のフォローなどをしっかりと行って患者さんにリスクと不安を極力小さくするという努力は当然必要になってくるでしょう。

美容整形外科の開業医・勤務医はたしかに収入がかなり見込めるという点では魅力があります。ただこのようなリスクも覚悟したうえで美容整形の道を選んでいただきたいと考えております。

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プロフィール
笠浪 真

税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢42人(R2年4月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

                       

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