はじめに

防衛医科大学医学生では将来の医師である幹部自衛官に必要な人格と識見を養っていきます。また自衛官医官に対しては自衛隊の任務遂行に必要な医学についての高度な理論と応用の知識さらに研究能力を修得していきます。また臨床教育も充実しています。

6年間の教育訓練と学生舎での規律のある団体生活を通して医師としての知識と能力さらに生命への尊厳への理解などのあらゆる任務を遂行できる体力も養っていきます。医師としてはもちろんのことかつ幹部自衛官としての重責を担っていけるだけの人材を養成していきます。

住所

防衛医科大学校の所在地は埼玉県所沢市弥生町3-1755-160にあります。西武新宿線の航空公園駅から徒歩10分ほどのところにあります。新宿や池袋などから40分・45分程度のところにあります。

入学金・学費

防衛医科大学医学生の身分は国家公務員に準じますので学費は無料です。

さらに手当として月116000円程度が支給されます。また別に期末手当が年2回ほど付きます。また衣類や食事なども貸与又は支給されます。医学部生は防衛省の共済組合に加入しますので福利厚生などの面でのメリットもあります。ただ住まいは全寮制になります。また大学を卒業後に自衛官としての職務を9年間全うする必要があります。途中で退職すると学生時代の支給分の返還しなければなりません。この額は勤続年数によっても異なりますが最大で数千万円になることもあるようです。

防衛医科大学医学生は学費が無料ということで入学も困難な大学の一つです。ただ勉強が得意という理由で入学をしてはいけません。自衛官として勤務する必要がありますので、勉強以上に体力・精神力さらに愛国心なども必要になります。こうしてみると難易度がとても高いと感じます。

出典:防衛医科大学校HP

偏差値

68.0から68.5程度

防衛医科大学校は北大や岡山大の医学部とほぼ同等となっていますのでかなり難しい大学といえます。学費が無料というのは大きな魅力かもしれませんね。

出典:医学部受験マニュアル

医師国家試験合格率

防衛医科大学校の医師国家試験合格率を年ごとに比較していきます。

2019年:全体86.0%(全国68位)新卒92.1%(全国55位)既卒40.0%(全国66位タイ)
2018年:全体88.9%(全国61位)新卒94.8%(全国44位)既卒53.8%(全国64位タイ)
2017年:全体85.2%(全国63位)新卒88.8%(全国61位タイ)既卒50.0%(全国45位タイ)
2016年:全体90.1%(全国55位)新卒91.9%(全国63位タイ)既卒71.4%(全国28位タイ)

全体的には合格率90%弱・順位は全国で60位前後という成績が続いています。勉強以外にも寮生活など多くのことを学ばなければいけないのである程度は仕方ない面がありそうです。

出典:医学部受験ラボHP

沿革・歴史

防衛医科大学校の歴史を紹介します。

1973年11月:防衛医科大学を開設

1974年4月:入間で医学科生の教育を開始

1975年8月:所沢に校舎を移転

1977年12月:付属の防衛医科大学校病院を開設

1985年4月:女子学生が初めて入学

1987年10月:医学研究科大学生の指導を開始

1996年10月:防衛医学研究センター開設

2007年8月:防衛医科大学校病院が災害拠点病院の指定

2012年4月:がん診療の指定病院として埼玉県より指定

出典:防衛医科大学校HP

特徴・教育目標

防衛医科大学医学科の特徴はなんといっても医師と幹部自衛官の両立を目指していくということです。そのために医学の勉強である進学課程と自衛官の訓練に相当する訓練課程を両方行っていくということです。自衛官医官の特性を基調とした人格と見識に優れた有能な総合研修医の養成を目標としていきます。

防衛医科大学の教育年限は6年です。この6年間で教育訓練と規律制のある団体生活を身に着けていきます。そこで医の倫理と生命の尊厳を深く認識させていきます。自主的な精神・規律ある態度・責任感ある行動と気風・頑健な体力・旺盛な好奇心を養って医師である幹部自衛官としての職責を全うしていきます。

また大学院の医学研究科では専攻分野における近年の進展著しい医学の現状並びに将来に対応した研究活動を行うために必要な高度な研究学力とその基礎になる豊かな学識をつけていきます。

出典:防衛医科大学校HP

カリキュラム

防衛医科大学医学科のカリキュラムは進学課程・専門課程・訓練課程からなります。

1年次

1年次は進学課程と訓練課程を中心に習得していきます。進学課程の中で人文社会科学系の科目も医師としてのプロフェッショナリズムと国際社会で活動していくための基本的な能力の基盤を養うため、自然科学系の科目は基礎的な研究能力の素養を涵養していきます。訓練課程では訓育や教練さらには部隊研修などを通しての幹部自衛官としての資質を培っていきます。さらに国際社会で活動していくための基本的な能力を養っていきます。

2年次

2年次は専門課程と訓練課程を中心に習得していきます。専門課程は基礎医学を中心として学体系に基づくカリキュラムによって医学的なものの考え方を習得していきます。また基礎的な研究能力とは何かを知って行くことで医師としてのプロフェッショナリズムを学んでいくとともに基礎的な診療能力を習得していくための準備を行っていきます。

3年次

3年次も専門課程と訓練課程を中心に習得していきます。専門課程は学体系に基づくカリキュラムから器官系別のカリキュラムに移行していきます。器官系でのカリキュラムは疾患の病態と診断さらには治療について学習していきます。ここで基礎的な研究能力を養うことと基礎的な診療能力の習得を開始していきます。医師としてのプロフェッショナリズムを学んでいきます。器官系別のカリキュラムの冒頭を基礎講座が担当していくことで学体系に基づくカリキュラムからの移行を容易にしていきます。

4年次

4年次も12月までは引き続いて専門課程の器官系別のカリキュラムを中心に学んでいきます。12月もしくは1月に共用試験を受けて合格すると研究室配属と2月からの臨床実習に参加します。研究室では実際の研究を経験して実証的な考え方を学んでいきます。また臨床実習では実際の症例にしたがって基礎的な診療能力を習得していきます。そこで医師としてのさらにプロフェッショナリズムをつけていきます。

5年次

通年で臨床実習を行って基盤的な診療能力と医師としてのプロフェッショナリズムをさらに向上させていきます。

6年次

前半は臨床実習を行っていきます。基盤的な診療能力としての医師としてのプロフェッショナリズムを充実させてその後の医師国家試験などの準備を行っていくことで知識と技能の再確認をしていきます。

総合学習

進学課程と専門課程では学年での配分を原則としつつも必要に応じて前後の学年にも時間を配分することで早期の体験によって学習意欲を高めていくことで高学年につなげていきます。そこでさらなる高い内容の知識を修得していきます。

出典:防衛医科大学校HP

研修制度

防衛医科大学医学科の研修制度は初期研修と専門研修があります。

初期研修

初期研修では内科を中心に精神科・外科・脳神経外科・整形外科・形成外科・皮膚科・泌尿器科・眼科・耳鼻咽喉科・小児科・産婦人科・放射線科・麻酔科・臨床検査・救急医学・リハビリテーション医学などを学んでいきます。期間は2年間です。

専門研修

専門研修では大学を卒業後に初期研修を行って修了後にさらに2年間の部隊医務室の勤務を行います。その後に初期の専門研修を行っていきます。内科を中心に精神科・外科・脳神経外科・形成外科・皮膚科・泌尿器科・眼科・耳鼻咽喉科・小児科・産婦人科・放射線科・麻酔科・臨床検査・病理・救急・リハビリテーション・総合診療などを行っていきます。

指導方針は医官が適切な指導管理者のもとで医学の基礎分野に関する知識や技能を練磨していきます。医官としての資質の向上を図ることを目的にしています。また防衛医科大学校病院を基幹施設とした研修プログラムに所属して基本領域やサブスペシャリティーの領域になる専門医の取得を目指していきます。

出典:防衛医科大学校病院HP

部活動

防衛医科大学校の部活動は体育系と文化系に分かれます。他の大学の医学部は勉強と部活動の両立ですが、防衛医科大学校の場合はここに部隊訓練が入ります。他の学生よりも上下関係などはしっかりとできていますので社会に出てからは有利と言えます。また部活動でも自分を鍛えるという目的の方も多いかもしれません。勉強だけができても卒業すらできないことを考えると、この大学を卒業して医者として活動をしている方は素直に尊敬できます。

体育系は空手部・剣道部・柔道部・硬式テニス部・ハンドボール部・サッカー部・バスケットボール部・バトミントン部・バレーボール部・ラグビー部・準硬式野球部・水泳部・躰道部・合気道部・弓道部・スキー部・陸上競技部・レスリング部・自転車競技部・山岳同好会・ソフトボール部などがあります。

文化部は囲碁部・将棋同好会・医用工学研究会・演劇部・合唱部・茶道部・写真部・書道部・吹奏楽部・弦楽アンサンブル・美術部・分子医学研究会・国際医学生連盟防衛医科大学校・弁論同好会・ダンス同好会・英語研究会などがあります。

自衛隊関連の大学ですので、やはり武術と音楽には力を入れている感じがします。

出典:防衛医科大学校HP

連携病院

防衛医科大学校病院の連携病院を紹介します。

社会医療法人財団石心会埼玉病院(埼玉県狭山市入間川)
埼玉医科大学国際医療センター(埼玉県日高市大字山根)日高市は坂戸市の南で川越市の西にあります。
さいたま赤十字病院(埼玉県さいたま市中央区新都心)
国立病院機構災害医療センター(東京都立川市緑町)
結核予防会新山手病院(東京都東村山市諏訪町)
自衛隊中央病院(東京都世田谷区池尻)
国家公務員共済組合連合会三宿病院(東京都目黒区上目黒)
日本赤十字社医療センター(東京都渋谷区広尾)
横浜市立みなと赤十字病院(神奈川県横浜市中区新山下)
八戸市立市民病院(青森県八戸市田向)
国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター(広島県呉市青山町)
札幌医科大学病院(北海道札幌市中央区南1条)
札幌東徳洲会病院(北海道札幌市東区北33条東)
佐世保市立総合病院(長崎県佐世保市平瀬町)
熊本赤十字病院(熊本県熊本市長嶺南)

また関連病院も一緒に紹介していきます。

至仁会圏央所沢病院(埼玉県所沢市東狭山ケ丘)
社団桜友会所沢ハートセンター(埼玉県所沢市上新井)
奥尻町国民健康保険病院(北海道奥尻郡奥尻町奥尻)

出典:日本救急医学会・救急医をめざす君へ

著名な卒業生

防衛医科大学校卒業の主な方を紹介します。

尾崎重之氏(自営隊医官・新東京病院・防衛医科大学校病院で勤務医。日本を代表する心臓血管系の外科医)
宮島賢也氏(精神科医。防衛医科大学校病院・自衛隊中央病院で勤務医。湯島清水坂クリニック院長・YSこころのクリニック院長)
金井宣茂氏(宇宙飛行士。防衛医科大学校病院・自衛隊大湊病院・自衛隊呉病院で勤務医。潜水医学が専門)
三輪道生氏(防衛医科大学校病院・慶応大学医学部付属病院などで勤務医。燿生会病院院長・宇都宮記念病院副院長)

出典:WIKI

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プロフィール
笠浪 真

税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢42人(R2年4月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

                       

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