岐阜大学医学部の歴史・特徴・カリキュラムなどを紹介!開業医の方も多くいます

公開日:2021年1月24日
更新日:2024年3月18日

はじめに

岐阜大学医学部医学科は人間・自然・社会に対する豊かな感性と洞察力を持って教育・研究・臨床に邁進していきます。その理念のもとで医学の基礎と高度な専門知識や技能を有していくことで地域の医療と医学の発展に貢献のできる優れた医療人と医学研究者を育成していくことを最大の目的としています。

広い視野と豊かな教養を持って医学に必要な基礎知識と学習スキルを持てる方
自らで考えて積極的に行動してその結果を推察できる方
協調性があって相手の立場を考えながら自らの考えを表現できる方
向上心を持って仲間とともに生涯にわたって学ぶ意欲と探求心のある方
地域や国際社会で貢献していく意志を持つ方
責任感と倫理観を持って人間性が豊かで生命に対する畏敬の念を持つ方

このような方が多く入学していただけるとありがたいです。

出典:岐阜大学医学部HP

住所

岐阜大学医学部の所在地は岐阜市柳戸1番1にあります。市の北西部にあって岐阜駅・名鉄岐阜駅から車で30分近くかかりそうです。環境は良さそうですがアクセス的に少し厳しいかなという気がします。

出典:岐阜大学医学部HP

入学金・学費

岐阜大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

基本的に他の国立大学医学部と変わりません。私立大学医学部の10分の1程度しかかからないのが親御さんにとって最大のメリットといえそうです。

出典:医学部受験マニュアル

偏差値

67.5(後期は70.0)

国立大学医学部の上位に入ります。千葉大学医学部名古屋大学医学部大阪市立大学医学部神戸大学医学部あたりが併願候補になりそうです。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

19年度:前期日程9.9倍・後期日程23.0倍・センター試験1.2倍・センター試験+地元枠1.2倍。18年度:同7.2倍・21.8倍・1.5倍・1.5倍となっています。

国立大学医学部の中でも超高倍率となっています。ただセンター試験を課すところでは極端に倍率が落ちます。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体95.7%(全国20位タイ)新卒99.1%(全国11位タイ)既卒55.6%(全国65位タイ)
2019年:全体92.5%(全国25位)新卒96.9%(全国12位)既卒50.0%(全国54位タイ)
2018年:全体91.8%(全国39位)新卒95.3%(全国39位)既卒55.0%(全国34位タイ)
2017年:全体83.2%(全国68位)新卒88.2%(全国65位)既卒50.0%(全国45位タイ)
2016年:全体89.0%(全国66位)新卒91.8%(全国65位)既卒50.0%(全国56位タイ)

年々成績が上がっています。この2・3年は岐阜大らしい成績になってきました。20位台に入るくらいの力はある大学なので今後もこのような感じで行ければ良いのではないでしょうか。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

岐阜大学医学部の歴史は150年近い歴史があります。

明治8年8月:岐阜県公立病院付属医学校が開校

明治13年3月:岐阜県医学校を開校

明治19年7月:廃校

明治33年4月:私立医学講習所

明治36年3月:廃校

しばらくは医学とは無縁の時代が続きます。

昭和19年4月:岐阜県立女子医学専門学校開校

昭和22年6月:岐阜県立医科大学が開校

昭和24年4月:岐阜医工科大学医学部が開校

昭和25年4月:岐阜県立大学医学部が開校

昭和29年5月:岐阜県立医科大学が開校

昭和39年4月:岐阜大学医学部が開校

昭和42年6月:岐阜大学医学部付属病院を設立

平成13年4月:医学教育開発研究センターが設立

平成16年4月:国立大学法人岐阜大学医学部が誕生

平成19年4月:付属地域医療医学センターを設立

平成30年4月:新学部設置準備室を設立

出典:岐阜大学医学部HP

特徴

岐阜大学医学部の特徴は教育・臨床・研究の3つを高いレベルで維持しているところです。地域と世界に貢献できる医師・また優れた看護師という医療従事者を養成していきます。

教育の特徴は大きく分けて2つあります。1つは他の大学よりも早くチュートリアル教育というものを取り入れました。自学自習の学習形式で学生自身が課題を解決していく方式です。もう1つは臨床実習でのクリニカルクラークシップです。学生医も医師の一人という立場で臨床実習に携わっていきます。学習や見学ではなくあくまで一緒に参加します。

また教育は優れた研究者と高度な臨床によって裏付けがなされます。この研究と臨床で成果を上げている数多くのスタッフによって医学教育が行われています。

出典:岐阜大学医学部HP

カリキュラム

岐阜大学医学部のカリキュラムを紹介します。

1年次では教養科目を中心に学習します。初年度のセミナー・人文科学・社会科学・自然科学(生物学と医学が中心)・複合領域・英語・第2外国語・体育と健康科学・自由選択科目・医学概論・医学英語・初期体験実習・システムズバイオテクノロジー基礎・細胞生物学・基礎生理学・生命化学実習・生化学・地域体験実習などを学びます。

2年次では人体構造学・神経構造機能学・生体機能学・病原体学・薬理学・中毒学・病理学・チュートリアル教育などを学びます。

3年次では循環器・呼吸器・腎尿路学・消化器・検査・血液腫瘍学・内分泌代謝学・脳神経学・成育学・生命倫理・法医学・臨床遺伝・臨床倫理・皮膚科学・免疫応答学・運動器学・感覚器医学

4年次では麻酔疼痛制御・救急災害・画像診断・放射線治療・精神・行動学・地域・産業保健学・医師と患者・臨床実習入門・症候診断学・臨床推論・ライフサイクルなどを学びます。

5年次では学内臨床実習・臨床講義などを行います。

6年次では選択型の臨床実習・卒業試験などを行います。

1・2・3年次に進級判定があります。4年次には共用試験をクリアしないと5年次の臨床実習を行うことができないのでほぼ毎年進級要件があるということで気が抜けない学生生活になりそうです。

出典:岐阜大学医学部HP

研修制度

岐阜大学医学部の特徴として以下のようなものが挙げられます。

未来型病院のインテリジェントホスピタルとして最新の情報システムの医療活用をマスターさせていくことで新時代に適合する医師を養成していきます。

専門の科だけ終わらずに「病院全体の研修医」としての指導をしていきます。将来に基幹学会の認定医や専門医の申請に対応ができるような疾患・手術・解剖などをセンターが適正に症例配分を行います。

2年間大学病院で研修を行う「単独コース」と大学病院と協力型病院の2つの施設で研修を行う「たすきがけのコース」を用意しています。各診療科のプログラムでは協力型病院の短期研修を含む場合がありますのでコース選択は柔軟です。

高度救急救命センターは救急指導医と救急専門医を含めた専従の医師が30名います。診療科の壁を取り払った総合的な高度医療研修を行うことができます。

多様なニーズに対応ができる大学病院の特色を活かしたオーダーメイドの研修を行うことができます。

岐阜大学医学部の場合は、第一内科・第二内科・第三内科・脳神経内科・総合内科・循環器疾患・高次救命治療センター・地域医療医学センター・心臓血管外科・呼吸器外科・消化器外科・乳腺外科・整形外科・脳神経外科・眼科・耳鼻咽喉科・皮膚科・泌尿器科・形成外科・放射線科・検査部・病理部・新生児集中治療部・麻酔科・疼痛治療科・産婦人科・精神科・小児科などがあります。

出典:岐阜大学医学部医師育成推進センターHP

部活動

岐阜大学医学部の部活動を紹介します。文化部と運動部があります。難しい勉強をしながら複数のサークルに加盟する方もいます。趣味での気分転換と人間関係を作るには大切といえます。

文化部は岐阜救急医療学生研究会・軽音楽部・バンド・室内合奏団・ピアノ・基本的臨床技能勉強会・奥穂高診療クラブ・医療系学生のつどい・箏曲・美術部・料理部・国際医学生連盟岐阜・ぎふ医療ケアサークル・英語・将棋部などがあります。

運動部は卓球部・バレーボール部・バスケットボール部・剣道部・弓道部・硬式テニス部・軟式テニス部・準硬式野球部・スキー部・バドミントン部・山岳部・水泳部・陸上競技部・ラグビー部・ハンドボール部・ゴルフ部・サッカー部・ボート部などがあります。

出典:岐阜大学医学部医学科HP

連携病院

岐阜大学医学部の連携病院を紹介します。

岐阜清流病院(岐阜県岐阜市川部)
山内ホスピタル(岐阜県岐阜市市橋)
平野総合病院(岐阜県岐阜市黒野)
岩砂マタニティ病院(岐阜県岐阜市八代)
安江病院(岐阜県岐阜市鏡島西)
近石病院(岐阜県岐阜市光町)
笠松病院(岐阜県岐阜市中鶉)
操外科病院(岐阜県岐阜市四屋町)
加納渡辺病院(岐阜県岐阜市四屋町)
山田病院(岐阜県岐阜市寺田)
国立病院機構長良医療センター(岐阜県岐阜市長良)
みどり病院(岐阜県岐阜市北山)
岐北厚生病院(岐阜県山県市高富)
羽島市民病院(岐阜県羽島市新生町)
中濃厚生病院(岐阜県関市若草通)
美濃市立美濃病院(岐阜県美濃市中央)
東海中央病院(岐阜県各務原市蘇原東島町)
大垣徳洲会病院(岐阜県大垣市林町)
揖斐厚生病院(岐阜県揖斐郡揖斐川町三輪)
新生病院(岐阜県揖斐郡池田町本郷)

出典:岐阜大学医学部附属病院HP

著名な卒業生

岐阜大学医学部出身の主な開業医の方を紹介します。

大貫勝美氏(循環器内科医・おおぬき内科クリニック院長)
松岡正治氏(整形外科医・松岡整形外科内科理事長)
紀久生明男氏(整形外科医・きくいけ整形外科院長)
高桑薫氏(内科医・高桑内科クリニック院長)
松永和哉氏(消化器科・まつながファミリークリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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