はじめに

いよいよ開催される2020年東京オリンピック。
日本におけるオリンピック規模の行事では2002年の日韓共催のサッカーワールド杯がありましたが、 国民的なスポーツイベントは一人で楽しむよりみんなで観戦して楽しんだ方が良いもの。

そんな東京オリンピックですが、実は従業員の慰安目的で社員旅行扱いとすれば、福利厚生扱いの経費支出として節税を実現できることをあなたはご存知でしょうか?

そのため、近年では社員旅行を企画する医院・クリニックが徐々に増えつつあります。

旅費を経費として算出するにはいくつかの留意点を押さえる必要はありますが、何とかクリアして社員旅行と題して大人数でオリンピック観戦といきたいものです。

ちなみに福利厚生費として計上できた場合には医院・クリニック側としてだけでなく、従業員としてもメリットがあります。

そこで今回は、旅費を経費として算出することで節税効果が見込める社員旅行について、お伝えいたします。

社員旅行は医院と従業員の双方で節税を実現できる

社員旅行を経費として計上した場合に恩恵を受けるのは、医院・クリニックといったように経営者側だけではありません。

もし旅費を福利厚生費として計上できた場合には、従業員にとっても節税が可能です。

たとえば、オリンピック観戦のために、東京へ従業員5名で4泊5日の社員旅行をしたと想定します。

1人当たりの旅費が10万円として、社員旅行の5名全員分(50万円)の旅費を給与扱いではなく、福利厚生費と計上すると法人経費の扱いとなります。

しかし、福利厚生費と認められず、給与として50万円を支払った場合どうなるでしょう?

給与支払いということは経費として損金扱いができなくなってしまい、社員旅行分の旅費が加算されて給与所得が支払われるため所得税が上がり、翌年以降に支払う住民税、社会保険料といった税金も上がってしまいます。

このように医院側が特定の条件に従い社員旅行費を出すことで経費扱いにでき、従業員としても給料から税金を支払う必要もないので、双方向にメリットがあるのです。

社員旅行を行うことによるメリットとは?

前項では社員旅行を福利厚生費として計上することで経営者側・従業員側の双方で節税を実現できるとお伝えしました。

ただ、社員旅行のメリットというのは何も節税面だけではありません。

節税以外にも、医院側が旅行費用を負担することで、日ごろの業務をねぎらいながら従業員のモチベーションアップやリフレッシュを実現できるメリットがあります。

多くの医院では社員旅行を行う場合、旅費の負担を全て払うか、一部の金額を支払うため、従業員にとっては格安で旅行を楽しむことができます。

また、業務とは関係のない旅行という時間の中で、普段見ることのできない院長や医師、看護師などの新たな一面を知ることができ、医院内の雰囲気向上にも期待できます。

つまり、社員旅行を行うことによって節税できるだけでなく、従業員同士の交流が深まり、モチベーションが高まることで、医院内の風通しが良くなることにも繋がるのです。

社員旅行を経費で落とす場合の注意点

節税だけでなく、院内の活性化としてもメリットのある社員旅行ですが、この旅費は何でも経費で落とせるのかというとそうではありません。

一定の条件を満たさないと経費として認められないケースがあるのです。

そこで本項では、社員旅行における旅費が福利厚生費扱いの経費として認められるための注意点をお伝えします。

旅費が福利厚生費として認められるには?

社員旅行の旅費を福利厚生扱いとするには、以下の3つを満たす必要があります。

滞在期間が4泊5日以内であること

社員旅行の滞在日数が4泊5日以内でないと福利厚生費としては認められません。ただし、海外旅行である場合、外国での滞在日数が4泊5日であれば良いので、旅行期間が7泊7から8日(機内泊2から3日)となっても問題ありません。そのため、社員旅行の行き先に関しては国内外の制限はありません。アメリカやカナダといった海外でオリンピックが開催されても問題ないのです。

負担費用が1人当たり最大10万円程度であること

慰安目的の社員旅行に関して、従業員が得る利益が少額であるなら、給与として扱われることはありません。この金額に関して上限は明確に定められてはいませんが、過去に国税庁が発表した事例では医院負担10万円程度が相場として明記されたことがあります。もしも旅費がそれ以上になってしまう場合は従業員で負担とすることが望ましいです。

従業員の参加割合が50%以上であること

社員旅行という名目である以上、参加者が従業員の半分未満である場合は旅行の意味がないと見られ、福利厚生費として計上できません。そのため、参加割合が最低でも全体の50%以上を実現できるような取り組みが重要となります。ちなみに支店や分院していた場合、 それぞれの職場ごとで企画しても問題ありません。その場合にはその職場人数の50%以上が参加する必要があります。

旅費が福利厚生費として認定されない条件

前項で旅費が福利厚生費として認められる条件をお伝えしましたが、たとえ満たしていても以下の内容に該当する場合、経費として認められませんので注意が必要です。

場所や日程が明確になっていない

社員旅行において、場所や旅行日程などを従業員が自由に決めた場合、プライベート旅行として見られるケースがあります。これは指定の旅行代理店を使ったとしても認められない事例であり、従業員の給与所得として課税対象となります。従業員にある程度の社員旅行企画を任せるといっても、全てを委任してしまうと福利厚生費として認められないので院長先生が最終の承認処理を行うなどして、社員旅行の内容を明確にしておきましょう。

社員旅行において取引先を招かないこと

いくら慰安目的の社員旅行とはいえ、医院外の取引先を招いた旅行である場合、接待要素が高いとみられ、交際費対象として計上されるので損金扱いとはなりません。福利厚生費というのは従業員が快適に働けるように整備するための経費であるため、自院でない人員に対する金額は対象外となります。

旅行参加者が限定的でないこと

従業員のモチベーションアップの対策として成績優秀者だけに社員旅行を実施するということもありましたが、この場合、税制上は参加者を限定することとなってしまいます。成績優秀者だけであると、前項の「参加者が50%以上」という条件を満たさず、福利厚生費扱いにはならないので、その旅行にかかる費用は従業員の給与として課税されます。また、役員のみの旅行に関しても参加者を限定することとなるため、同様の結果となります。

家族分の旅費は経費対象外

従業員の家族の旅費も負担してしまった場合、従業員である本人の分も含めて福利厚生費として認められず家族全員分の旅費が給与として課税されます。もしも家族を社員旅行に同行させたい場合、家族分の旅費は従業員に実費で支払ってもらうなど行い調整しておきましょう。

旅行不参加者に支給すると給与扱いとなる

社員旅行に参加していない従業員に対して、旅行代金相当額のお金を支払った場合、当然ながら給与扱いの課税対象となります。そして、この場合は社員旅行に参加した従業員についても給与扱いの課税対象となります。ただし、業務上やむ得ない理由で参加できなかった場合に関しては旅費の支給が可能であり、その場合は不参加者のみが給与として課税対象となります。

このように社員旅行の旅費を福利厚生費として損金扱いとする場合には、一定の条件があるので注意しておきましょう。

まとめ

今回は、社員旅行を福利厚生費として計上する場合の注意点についてお伝えしました。

  1. 医院と従業員の双方で節税が可能である
  2. 社員旅行を行うメリットとは
  3. 社員旅行の旅費を経費とする場合の注意点

旅費を福利厚生費として計上した場合、医院・クリニック側でなく、従業員としても節税効果を見込めるため、双方にとってメリットのある取り組みです。

更には税金面だけでなく、旅費を負担することによって従業員のモチベーションアップにも繋がります。

ぜひ、今回お話したことを1つでも取り入れて、医院経営における節税を実現できればと思います。

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