はじめに

開業医の先生が、開業準備で検討しなければいけないことのひとつに集患・増患対策があります。

いくら腕の良い開業医の先生でも、まずは医院・クリニックの存在を知ってもらわなければ患者さんに来てもらうことは厳しいでしょう。

重要な集患・増患対策のひとつにホームページ作成があります。

しかし、ただ単にホームページを作れば良いというわけではありません。

ホームページはGoogleなどの検索エンジンで上位に来なければ、口コミ以外で見られることはありません。

また、ホームページの中身を適当に作ってしまうと、例え新患の方に見てもらうことはできても、来院にはつながりません。

今回は、開業医のホームページ作成で、注意するべき点について、いくつか書いていきたいと思います。

医院・クリニックのホームページを自作するか、誰かに依頼するか

「ホームページ制作を外注するのは高い。医院で自作するか、知り合いに作ってもらおう」

と考える開業医の先生もいるかと思いますが、基本的にはおすすめしません。

たしかに今はJimdoやwixのように、web制作の知識がない人でも簡単にホームページ作成ができる無料ソフトがあります。

しかし冒頭でも書いたように、ホームページは作れば良いというわけではありません。

検索エンジンで上位に来なければ、オンラインで集患する意味はありません。(PPC広告という手はありますが、コストが非常にかかります)

どのキーワードで検索上位に来るようにするかどうかはプロの制作会社でないと、なかなか難しいものがあります。

それに、ホームページのコンテンツを自作できる時間とスキルを併せ持った先生は、そんなに多くないと思います。

知り合いに依頼するという方法もありますが、ただ単にホームページを作成すれば良いわけではないので、これもおすすめしません。

また無料ソフトでも、操作が簡単というだけで、SEO対策やデザイン・カスタマイズの自由度に難があることが多いです。

医院・クリニックのホームページは、必要に応じて修正することがあっても、一度開業したらずっと同じドメインを使い続けることが多いと思われるため、

最初からプロの制作会社に依頼し、その後の編集が比較的容易なWordPressで制作してもらうほうが、長期的に見て集患にお金と時間をかけずに済みます。

医院・クリニックのホームページのCMSはなぜWordPressが良いのか?

それでは、医院・クリニックのホームページを制作するうえで、CMSをどうするのが良いのかご説明します。

CMSとはコンテンツマネジメントシステム(Content Management System)の略称です。

HTMLやCSSのようなプログラミングの知識がなくても、文章や画像を入力するだけで更新が可能な媒体の総称だと思ってもらえば良いでしょう。

CMSについては、Joomla!やMovable Typeなどを使っている方もいますが、その中でも有名なのがWordPressです。

おそらく、CMSという単語を知らなくても、WordPressという単語は知っている方は多いでしょう。

WordPressをおすすめする理由としては、直接HTMLコードを入力しなくても、基本的に「文字の入力」と「画像の貼り付け」で更新できることです。

例えばホームページ内のブログ機能で記事を書く際は、HTMLなどの知識がなくても自分で記事を書けることになります。

記事の更新という点では、その難易度と手間はアメブロで記事を更新する場合と、ほとんど変わりません。

日々診療で忙しい医院・クリニックの先生が、ひとつひとつHTMLのコードを調べながら更新していくのは至難の業です。

それから、WordPressのメリットはなんといっても、他のCMSに比べて使っている人が圧倒的に多いことにあります。

使っている人が多いということは、操作がわからなくて困ったときは、すぐにインターネットで情報を探せるということです。

例えば「WordPress ○○」とか「WordPress プラグイン ○○」などで検索すれば、すぐに欲しい情報が出てきます。

制作会社もWordPressを主に使っている会社が多いと思います。

WordPress以外の他のCMSをすすめられた場合は、理由を聞いておくようにすると良いと思います。

医院・クリニックのSEO対策

先生の医院・クリニックの存在を知られるためには、検索エンジンで上位に来るような対策、つまりSEO対策は欠かせません。

SEO対策といっても、単純に「新宿 内科」「銀座 整形外科」のようなキーワードで狙えば良いというわけではありません。

Googleのアルゴリズムは日々進化しています。アルゴリズムの変動で、検索順位が下がって困っているという話を聞いたことがある方も多いでしょう。

このように日々Googleの検索順位は変動していますが、Googleの評価の姿勢は一貫して守られています。

それは、Googleとしては、「ユーザーにとって価値のある情報を提供する」サイトを検索上位に持っていきたいということにあります。

Googleの検索順位が日々変動しているのは、ユーザーにとって価値のある情報を、いかに検索しやすくするか改善しているためです。

つまり質、量ともにユーザーにも支持されるような優良なコンテンツを掲載しているホームページが検索されやすいということになります。

医院・クリニックのコンテンツとしては、次のようなものがあると思います。

院長挨拶やスタッフ紹介
診療方針
院長経歴・略歴
院内や設備の紹介
医院、クリニックのコンセプト
医療や健康に関する役に立つ情報
病気・治療法の役に立つ情報
実施している検査や専門外来の紹介
季節性の病気などの話題

これらについて充実を図っていくと、SEO対策では効果を発揮するだけではなく、他の医院との差別化を図ることができます。

ここまでやって、初めて医院・クリニックがホームページを制作する意味が出てくると言って良いでしょう。

そう考えると、まずホームページ制作の専門である制作会社に依頼するのが妥当であることがわかると思います。

医院・クリニックのGoogle Mapの対策

それでは、医院・クリニックのホームページはSEO対策だけをしていれば良いかと言われれば、それも十分ではありません。

Googleで検索すると、まず最初に出てくるのはGoogle Map専用枠で、上位に掲載されている3つの医院が出てきます。

通常のオーガニック検索(SEO)は、Google Mapの下です。

これが何を意味するかというと、Google Mapに表示された医院のほうが、目に付きやすいということです。

これをMEO対策と言いますが、通常のSEOの9倍のクリック率、PPC広告と比べても7.5倍のクリック率と言われています。

Google Map専用枠に表示されている医院のほうが9倍も目につきやすいのです。

もはやオンラインでの集患・増患対策ではMEO対策は欠かせないものになっています。

GoogleMap専用枠の上位表示を得意とするMEO対策専門の業者もあるので、MEO対策についても十分検討するようにしましょう。

医院・クリニックのホームページのスマホ最適化

ターゲット層によって若干変わってくるかもしれませんが、サイト閲覧のスマホとPCの割合は、スマホ8割、PC2割と言われています。

これはおおむね当たっており、個人ブログやホームページ、ランディングページなども、だいたいこの割合です。

この統計は、医院・クリニックでも基本的なところは変わりません。殆どの新患の方は、スマホで先生の医院のことを調べていると言ってよいでしょう。

つまり、意識すべきは、PCユーザーよりも圧倒的にスマホユーザーです。

Googleはスマホサイトに記載している情報を元にGoogleの検索結果の順位付けをすると発表しています。

つまり、ユーザビリティだけではなく、SEOでも影響が出てきます。

ほとんどの制作会社は、スマホ最適化に対応できると思われますが、納品時はPCだけではなく、スマホでも確認するようにしてください。

医院・クリニックのセールスコピーライティング

SEO対策の観点でも、ホームページ内のコンテンツを充実させることはとても大事です。

ただ、ホームページを閲覧した患者さんが「この病院に行こう」と思わなければ意味がありません。

しかも、患者さんは一旦通い始めるとめったに医院を変えるようなことをしません。(行きつけの医院で何かトラブルがあれば別ですが)

大事なことは商品の特徴ではなく、ターゲットが求めている情報を書くこと。

セールスコピーライティングの基本ですが、これは医院・クリニックでも例外ではありません。

診療内容などの特徴を書くのではなく、患者さんがどうなるのかを明確に書くようにしましょう。

(但し、医療法による広告規制よる広告規制を十分考慮すること。こちらについては次の章で述べています)

特にコンビニより多いとされる歯科医院では、このセールスコピーライティングの重要性はかなり高いでしょう。

また、診療科目によらず、専門性の高い医院はとても増えています。

こういった専門性の高い医院であるほど、セールスコピーライティングはとても重要になります。

どのような人がターゲットで、患者さんをどのようにすることができるのか、明確に書いていくようにしましょう。

このセールスコピーライティングについては、医院の先生が自ら手がけることは至難の業ではないかと思います。

そもそも、ライターとかwebライターを名乗っている人でも、売上を上げるための「売れるライティング」ができる人は少数派です。

実績のあるセールスコピーライターに依頼したり、そういう人脈のある制作会社と繋がるようにしていきましょう。

医院・クリニックのホームページの広告規制

医院・クリニックのホームページにセールスコピーの要素を取り入れる際に気をつけたいのが、医療法による広告規制です。

具体的には「医業若しくは歯科医業又病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」(医療広告ガイドライン)です。

医院・クリニックの広告については厳しく規制されており、これはホームページも例外ではありません。

以前まで医院のホームページは、広告という扱いを受けていなかったため、医療広告ガイドラインには当てはまりませんでした。

しかし、2018年6月1日に改正された最新の医療広告ガイドラインでは、このホームページも広告の扱いになりました。

医院・クリニックのホームページで広告規制に気をつける点については、奥の深い内容なので別記事で詳しく解説していきたいと思います。

【関連記事】知らないと怖いホームページの医療広告規制5つのポイント

まとめ

開業前、開業後の医院の先生にとって、ホームページ制作は重要な集患対策ですが、以下の点に気をつけるようにしていきましょう。

基本的には専門の制作会社に依頼する
無料のソフトではなく、基本的にWordPressでホームページ制作
SEO対策の基本は、ユーザーに価値のある情報を提供すること
MEO対策で実績のある業者も探すこと
ホームページのスマホ最適化は必須
医院にもセールスコピーライティングを
医療広告ガイドラインに要注意

なお、ホームページ制作に限らず、開業医の先生の集患・増患対策全般については、以下の記事に書いていますので、併せてご覧ください。

>【医院開業】なぜか患者が来ない!集患・増患対策6つの注意点

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プロフィール
笠浪 真

税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢42人(R2年4月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

                       

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