はじめに

取引先との接待や同業者との情報交換を含めた懇親、更には従業員の福利厚生としても用いられるスポーツ ゴルフ。

医院の先生であれば、製薬会社や医療機器メーカーが盛んにゴルフ接待を行っている事実をご存知かと思います。

ひと昔前まではMRと呼ばれる医薬情報担当者が中心となり、医院の先生を誘ったゴルフ接待が頻繁に行われていました。

そういった時代が過去にあったため、開業される前の研修医時代にゴルフを始められた先生も少なくありません。

特に大学病院出身の先生は学校関連での結びつきが強いため、大学内や他院との情報交換等の場として、ゴルフが活用されているのが現状です。

ゴルフは自然の中でリラックスできる環境でのスポーツであるため、学会などかしこまった場所よりも、情報交換や人脈作りに向いていると言われております。

このようにプライベートだけでなく、医院経営にも役立ち、多くの先生が趣味として活かしているゴルフには会員権という権利証券があります。

ゴルフ会員権は一般客(ビジター)より優先される、メンバー料金で利用できる、など特別な恩恵がある権利であり、医院としても購入可能な資産でもあります。

そんな多くの医院の先生が持っているゴルフ会員権は、所有形態や使用実態によって会計処理が異なり、場合によっては節税としても使うことが可能です。

そこで今回は、ゴルフが趣味である先生であれば必ず医院経営に役立つ、ゴルフ会員権に関する内容をお伝えします。

ゴルフの会員権とは

「月に何度もゴルフをする」「自分のホームコースを持ちたい」…そう思われている先生のほとんどはゴルフ会員権をお持ちかと思います。。

では、ゴルフ会員権とはそもそもどんな権利証券なのでしょうか?

【ゴルフ会員権とは】
そのゴルフ場の利用権を得る事によりビジター(非会員)に比べ、割安でプレー可能となる他、会員優先枠での予約も可能となる権利。またクラブ競技会等への参加資格も得る事が出来る。ゴルフ会員権は市場で取引されており、株式のように時価で売買される。

今でこそ、誰でも好きなゴルフコースを予約できるようになりましたが、一昔前までは会員権を持っていないと予約できないことも多々ありました。

そのため、ゴルフの会員権を持つということはひとつのステータスでもありました。

では、ゴルフ会員権を持つことでどのようなメリットがあるのでしょうか?

ゴルフ会員権を持つメリット

ゴルフの会員権を持つことによるメリットとしては大きく4点あります。

  1. ゴルフのプレイ料金が非会員(ビジター)に比べ安い
  2. 予約を優先的に申し込みできる
  3. ゴルフ場主催の競技会(理事長杯、月例杯等)に参加できる
  4. 公式ハンディキャップを取得でき、同じレベルの選手と交流できる

ゴルフが趣味で定期的に行う先生であれば、プレイ料金の割引・優先予約といった点は十分なメリットになります。

しかし、その反面でゴルフをプレイされない方にとっては、メリットがほぼありません。

会員権を購入する際には手数料などの費用を含め、高額となる料金が必要となるケースがあり、ゴルフ場によっては会員権の購入後も定期的に会費が必要となることもあります。

もしもゴルフの会員権を購入するのであれば、まず上記のメリットを加味した上で、会員権を保有するだけの価値があるかを見極める必要があるのです。

資産として扱われるゴルフの会員権

1980年代のバブル時代、ゴルフ場によっては会員権価格が1億円を超えることも珍しくなく、資産としての一面も持ち合わせておりました。

しかし、バブル崩壊後には会員権の価格が一気に暴落。

売却することなく、ゴルフをしない親族へ相続・贈与されることによって、現在ではゴルフをしない方が無駄に持っているケースも多いのです。

そんなゴルフの会員権は個人としての売買だけでなく、企業や医院など法人としてでも保有することが可能な資産です。

それでは医院としてゴルフの会員権を持つ場合、購入時や購入後に掛かる経費をどのように計上すれば良いのでしょうか?

まず法人会員としてゴルフの会員権を購入する場合、入会金を経費として損金処理することはできないため、資産として計上する必要があります。

その場合、年会費やロッカー使用代などは、交際費として扱うことができます。

そして、ゴルフのプレイ料金は、会員権の計上項目に縛られることなく、交際費として計上することが可能です。

接待場所までの得意先の交通費を負担した場合についても接待のための費用として、交際費に該当します。

ただし、当然ながら業務遂行上必要な接待でなく、個人の娯楽が目的であるならば、交際費として計上することはできません。

ちなみに、法人が資産扱いとして購入したゴルフの会員権は、経年によって価値が下がる性質の資産ではないので減価償却としては認められていません。

ゴルフ会員権を使った節税法とは?

実は、法人名義でゴルフの会員権を保有している場合、節税に役立てることができます。

そこで本項では不要となったゴルフの会員権を処分することで節税が可能である、というお話をお伝えします。

もし、会員権をお持ちであれば、これからお伝えする内容が該当するか確認されてはいかがでしょう?

会員権を売却(譲渡)した時の所得は、譲渡所得として事業所得や給与所得などと合わせて総合課税の対象となります。

総合課税対象であるために、もし売買差で損失が発生したとしても事業所得などと損益通算が可能なのです。

なお、ゴルフ会員権の譲渡損失の損益通算については、「ゴルフ場が倒産していない」「法人名義である」など一定の条件があるので、担当の税理士への確認を推奨します。

なお、保有期間により課税金額は異なり、以下の計算方法によって金額を計算することができます。

<所有期間が5年以内(短期譲渡所得)>
売却金額-購入金額-譲渡金額-特別控除額50万円=課税金額

<所有期間が5年超(長期譲渡所得)>
{ 売却金額-購入金額-譲渡金額-特別控除50万円 }×1/2= 課税金額
※損失が発生した場合、特別控除の50万円は適用されません

会員権のほとんどは1980年代のバブル期を絶頂に暴落しているため、10年以上前に購入した会員権であれば売買差で損失が発生するケースがほとんどです。

もちろん将来の価格動向は誰にも分かりませんが、今後数年間でバブル期のような金額まで高騰する可能性は限りなく低い状況にあります。

今お持ちの会員権を全く使っておらず、眠らせているぐらいであれば、譲渡や売却によって税金対策とすることをオススメします。

そもそもゴルフの会員権は課税対象?

ゴルフの会員権をお持ちの方から「有価証券扱いなのか?」といったご質問を伺うことがあります。

権利証券である会員権は、株式・手形のように有価証券として見られやすいのですが、あくまでも会員とゴルフ場との間だけに有効な権利証券。

そのため、有価証券としては扱われません。

したがって、ゴルフ会員権を売買する場合の取引は、全て消費税が必要となる課税取引として扱われます。

まとめ

今回はゴルフ会員権に関する以下の情報をお伝えしました。

  1. ゴルフ会員権のメリットとは
  2. 資産として扱われるゴルフ会員権
  3. ゴルフ会員権を使った税金対策とは

医院の先生にとってゴルフは同業者や取引先から有益な効果をもたらしてくれることもあり、コミュニケーションツールとして大きな力を発揮してくれます。

そして、絶頂期であった1980年代のバブル時期に比べて暴落した会員権は、税金対策として使える資産でもあります。

ぜひ、今回お伝えした情報を1つでも取り入れていただき、医院経営に役立つことができればと思います。

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