はじめに

耳鼻咽喉科の開業医の年収は3000万円程度となっており、一般的に自由診療の美容整形外科や眼科に次いで高い年収と言われています。

勤務医を数年ほど経て開業する方、長期間勤務医として勤務をし続ける方、様々ではありますが、40歳を超えると開業をしている方も多いようです。

耳鼻咽喉科では入院施設を揃える必要はなさそうですが、目や耳、そして頸部など、細かい技術を要する手術などのニーズが増えているようです。よって、それらの施術に必要な医療機器などの購入にお金がかかるかもしれません。

それから、耳鼻咽喉科は様々な症状を訴える患者さんがいらっしゃいます。この点において、幅広い知識や手術も含めた治療法などを理解して説明をする力が必要になると考えられます。

勤務医の年収との比較

耳鼻咽喉科の勤務医の年収は1400万円程度ではないかと思われます。全国的に見ると1200万円から1400万円程度のグループ、その次に1000万円から1200万円のグループの方が多いようです。

もちろんその上の1600万円から1800万円程度の方も比較的おり、さらに2000万円以上の方も少なからずおりますが、平均年収となりますとやはり大体1400万円前後に落ち着きそうです。

また最近は、アレルギーや自律神経失調症を含めた原因を特定するのが難しい病を抱えている方、病名の診断はつかないものの何となく体調の優れない方が増えてると言われています。このような方が、様々な科をたらい回しにされた挙句に耳鼻科を受診するケースが多くなっているようです。

このように、患者数が増加しているにもかかわらず、耳鼻咽喉科医があまり増えず全体的に医師不足であるため、必然的に仕事量が多くなっているようです。また、耳鼻咽喉科の勤務医の方は多忙で家族との時間をなかなか持てない、という悩みも耳にします。

現在耳鼻咽喉科の医師で、病院やクリニックを開業もしくはそこに勤務している医師は、日本全国におよそ9000名超います。ただ花粉症の患者さんだけでも日本国内に3000万人程度おり、その他難聴などを抱える高齢者やその他のアレルギー、さらに自律神経失調症などの症状を訴えている方なども含めると、耳鼻咽喉科を受診する患者は全国に数百万人以上の数になるものと思われます。1日当たりの患者の受診者が80名から100名程度になるクリニックもあると言われているほどです。

以上のような状況から、耳鼻咽喉科の医師の忙しさは想像以上かもしれません。規模の大きな病院ですと耳鼻咽喉科の診察は毎日行っていないところもあり、月水金の週3日、などの病院もあります。これも端的に耳鼻咽喉科医の人員不足ということが挙げられると思います。

耳鼻咽喉科の都道府県別の開業医の年収

都道府県別の開業医の年収自体のデータがないので現在調査中です。

ただ、医師全体の年収で見ると、岩手や宮城などの東北地方が高く、富山や福井などの北陸地方で低めになっています。医師の需要度や医師の平均年齢が高い地域では、比較的年収が高い傾向にあるようです。

サラリーマンや自営業者などの年収の高い東京・大阪・神奈川・愛知なども決して高い方ではありません。一般人が稼げる地域=医師が稼げる地域という構図は基本的に当てはまりません。

耳鼻咽喉科の男女比の割合

耳鼻咽喉科の医師における女医の割合は、2015年で20%を少し超えるくらいとなっています。

医師全体に占める女性医師の割合はどうかと言いますと、日本全国に医師が31万人程度、その中で女性の医師は6万人程度となっていますので、全体では大体19%程度となります。

女性医師はやはり産婦人科や精神科に多く、その他の科ではまださほど多くいないようです。

日本は、世界の先進国、特にOECDに加盟している28国の中で、女性医師の割合が最低となっています。下から2番目の韓国も23%程度と日本よりは多少高いのですが、この2か国が世界の先進国と言われている国ではずば抜けて数値が低くなっています。

1位はエストニアの70%超、2位と3位はスロベニアとフィンランドで60%前後と、女性の医師が半数を優に超えています。ちなみにアメリカも25位と下から4番目ですが、それでも女性医師の割合が33%で3名に1名程度はいますので、日本よりはだいぶ多いという印象を受けます。日本も30~40年ほど前に比べれば女性医師の割合は倍増しており、少しずつは増えていますが、世界と比べるとまだまだ低いと言えます。

日本や韓国は儒教文化が根底にあり、男社会、しかも先輩絶対・滅私奉公という社会構造から未だ抜け切れていないのと、医師の勤務時間においても世界標準より長い実態があります。この辺りが、「仕事と家庭を両立していきたい」という女性の医師業界への進出を拒んでいるとも言えるでしょう。

また最近のマスコミの報道によりますと、医学部の大学受験において、女子の受験生を意図的に合格させないという流れが多くの大学で常態化していることが判明しています。女性医師の割合が25位であるアメリカレベルの水準に届くにも、まだまだ道のりは遠いようです。

開業には少なくても5000万円程度はかかりそう

病院の勤務医から医院を開業するとなると、少なく見積もっても5000万円、普通に考えると7000~8000万円程度かかると言われています。

開業するとなると土地や建物などの箱物が必要になります。また検査器具や診察用具などの医療機器一式もそろえなければなりません。

さらに耳・鼻・のど・首・頭などの手術をするための用具が必要になります。これだけでも2000万円から3000万円程度はするのではないかと思われます。

もちろん、看護師などの専門家も必要になります。それでも手が足りずに家族などに受付や会計などの事務を手伝ってもらう必要が出てくるかもしれません。

もし開業コンサルタントなどに開業サポートを頼むと、さらに500万円から1000万円程度の資金がかかります。

開業医になると経営者になります。最初は銀行からの借り入れも必要になります。ある程度医院経営が上手く軌道に乗っても、スタッフの給料と借り入れの返済で、開業医自身の報酬がほとんど手元に残らない可能性も高くなります。

勤務医時代と変わらず忙しいにもかかわらず、年収は勤務医時代の数分の1程度、もしくはそれ以下になってしまう場合も考えられます。

実際に都市部の開業医は、開業後2年から数年で医院をたたんでもう一度勤務医に戻ってしまう方も多くいます。

開業をするにはかなりの決心と覚悟が必要になってきます。

耳鼻科の医師は知識と手先の器用さが必要

どの科においても言えることですが、耳鼻咽喉科の開業医として成功することは容易ではありません。ただ、耳鼻咽喉科は長年の人材難ということもあって、就職や転職をすることはさほど困難ではないようです。30代の若手から中堅世代の医師で、ステップアップを目的とするための転職をする方も比較的多くいます。

耳鼻咽喉科の医師は、問診・検査・診断・治療・手術・術後の管理やフォローなど、やるべきことはたくさんあります。また形成外科や頭頸部なども兼務している病院の場合は、その知識も理解しておく必要があります。睡眠時無呼吸症候群の治療や補聴器の扱い方も、耳鼻咽喉科の役目になることが多くなります。

さらに頭頸部・甲状腺・声帯のポリープ除去手術や、内耳・中耳手術などの分野も、耳鼻咽喉科の医師の仕事になってきます。手術経験や実績、さらにレーザー治療を行えるかなども、転職の際には重要になるでしょう。

このようなところからも、耳鼻咽喉科の医師は幅広い知識はもちろんのこと、手術の腕なども必要になってきますので、ある程度の手先の器用さも要します。こうしてみると、医師の仕事は頭脳はもちろんのこと、患者さんの健康を守るための手術などができる細かな技術、さらに長時間労働にも耐えることのできる体力、そして患者さんの立場になって考えるフォローする力などが必要になってくることが分かります。

耳鼻咽喉科は患者の生死に関わる治療を行うわけではありませんが、花粉症や自律神経失調症、そしてポリープなど、日々の生活の中で何となく不調という感じを訴える方が多いのが特徴といえます。そのような方への適切な治療と不安を小さくするための丁寧なフォローが必要となるでしょう。

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