高知大学医学部の歴史・カリキュラム・研修制度などの紹介!開業医の方も全国で活躍しています

公開日:2021年5月1日
更新日:2024年3月18日

はじめに

医学や医療の飛躍的な進歩に対応するためには、医療に携わる方が自らの倫理体系を構築する必要があります。その基盤になるのが長時間を要して培われた強靭な倫理的な能力とバランス感覚に支えられている多面的な考察力そして問題解決能力といえます。

高知大学医学部ではこのような能力と医学や医療に対しての強い志望動機、さらに適性を具備した人材を広い領域から発掘、多様なニーズに応えうる高い倫理観・使命感と思考の柔軟性を有しているとともに高知県の地域医療に貢献するという強い意欲を持った医療人の育成を目指しています。

出典:高知大学医学部HP

所在地

高知大学医学部の所在地は高知県南国市岡豊町小蓮にあります。最寄りの駅から徒歩や自転車での通学は難しいです。高知駅から車で20分程度、バスで30分程度かかるのではないかと思われます。

豊かな自然の中にあるので環境的には素晴らしいです。ただ立地的にどこに住むかが難しいところともいえそうです。

出典:高知大学医学部HP

入学金・学費

高知大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

他の国立大学医学部と学費は変わらないのが大きな魅力といえます。

出典:医学部受験マニュアルHP

偏差値

62.5(20年度)

ただ19年度は65.0だったのでおそらくまだ63前後はあるものと思われます。国立大学の中では比較的入学しやすいかなという感じはあります。ただあくまで国立医学部が対象ですので、入学が難しいことには変わりありません。富山大学医学部三重大学医学部鳥取大学医学部香川大学医学部あたりが併願候補の大学になりそうです。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

高知大学医学部の倍率を紹介します。

20年度は前期二段階:6.3倍、前期一般二段階:6.1倍、前期地域枠二段階:12.5倍、センター試験課す3.6倍、センター試験課すAO入試7.4倍、19年度は同3.9倍、3.5倍、23.0倍、3.1倍、6.4倍

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体91.1%(全国63位タイ)新卒95.0%(全国55位タイ)既卒54.5%(全国67位タイ)
2019年:全体91.0%(全国40位タイ)新卒93.8%(全国46位)既卒60.0%(全国39位)
2018年:全体90.7%(全国49位タイ)新卒95.2%(全国40位)既卒53.8%(全国64位タイ)
2017年:全体90.7%(全国36位)新卒93.9%(全国37位)既卒66.7%(全国21位タイ)
2016年:全体87.9%(128名出願、124名受験、109名合格、全国60位台後半くらいと思われます)

合格率90%前後の年が続いています。全体的には中の下程度で入学時の成績をだいたい維持しているのかなという気がします。

出典:医学部受験ラボHP

歴史

高知大学医学部の歴史を紹介します。

1976年10月:高知医科大学開学
1978年4月:第1回の入学式を行う
1978年5月:開学の記念式典を行う
1981年4月:医学部付属病院の設置
1981年10月:開院の式典と診療の開始
1983年4月:医学部付属病院の動物実験施設の設置
1984年3月:第1回の卒業式を行う
1984年4月:大学院の医学研究科の設置と第1回の入学式を行う
1986年4月:医学部付属病院に救急部を設置
1988年3月:大学院の第1回学位記授与式を行う
1990年4月:医学科の入学定員を100名から95名に5名減
1991年10月:付属病院の開院10年記念式典
1995年4月:医学部付属病院にリハビリ科を設置
1997年4月:医学部付属病院に総合診療部を設置
1998年10月:開学20年の式典を行う
1999年4月:医学科の入学定員を95名から90名に5名減
2002年4月:大学院医学研究科を大学院医学研究科に名称を変更、医学部附属病院に卒後臨床研修センターを設置
2003年10月:旧高知大学と旧高知医科大学を統合して新制の高知大学を開学
2004年4月:国立大学法人の高知大学を開学
2005年4月:医学部附属病院に地域医療連携室を設置
2006年7月:医学部附属病院にがん治療センターを設置
2007年11月:医学部附属病院に子どものこころ診療部を設置
2008年7月:高知市土佐地区の山沿い僻地診療所の指定管理者になる
2009年4月:医学部附属病院に臨床試験センターを設置、医学科の入学定員を90名から100名に10名増
2010年4月:医学科の入学定員を90名から100名に7名増
2010年5月:へき地医療拠点病院に指定される
2011年4月:医学科の入学定員を107名から110名に3名増
2011年10月:医学部付属病院の開院30年記念式典を行う
2011年12月:医学部に高知地域医療支援センターを設置
2013年7月:岡豊キャンパス周辺のまちづくり検討会を発足
2014年2月:医学部附属病院に高知県基幹型認知症の疾患医療センターを設置
2015年4月:総合研究棟の運用を開始
2017年4月:医学部附属病院に光線医療センター及び免疫難病センターを設置
2019年8月:アメニティ施設を開所

出典:高知大学医学部HP

概要

高知大学医学部医学科では前身である高知医科大学の「敬天愛人」と「真理の探究」に則って、人間性が豊かで医の倫理と高度な知識と技能をつけて、地域の時代の要請に柔軟に対応しうる医師を養成していきます。医学科の定員は110名で男女比は2:1程度です。卒業生の100名程度のうちで4割ほどの方が県内の医療機関で研修医としてのスタートを切ります。

出典:高知大学医学部HP

カリキュラム

高知医科大学医学部医学科のカリキュラムを紹介します。

1年次では教養科目のほかに、入学直後の早い段階から医療・介護・福祉の現場を体験していきます。自分の将来像を描いて医学生として必要な心構えや態度を身に着けていく実習です。付属病院での外来つきそいの実習をはじめとして看護・検査・リハビリ・薬剤・栄養管理などに入ってそれぞれの業務と人の気持ちを知る付属病院の実習、市内での診療所を中心としたプライマリーケア実習、高齢者や介護施設などを回る施設実習などの初期臨床医学体験を行います。

2年次から4年次までは先端医療学コースを学んでいきます。独自性とリサーチマインドを持った医師や医学者の養成を目指しています。最先端の医療研究を通して医学研究に必要な基礎学力と課題探求の能力を涵養していきます。医学部生は医学部の付属先端医療学推進センター内の6部門24班の研究班のいずれかに配属されて研究に携わります。研究は成果として論文にまとめます。また国内・国際の学会にも
積極的に参加していきます。そこで国際感覚も磨いていきます。

また2年次から4年次では統合医学コースも学んでいきます。医師として最善の治療をしていくためには、常に最新の医学知識と情報を自ら学んでいく必要があります。このコースではチーム基盤型学習(TBL)を通して様々なテーマに対して個人の責任感とチームでの協調性を両立させて課題の解決を目指していきます。必要な知識と態度さらには技能を習得していきます。TBLはアメリカが起源の学習法で高知大学医学部が国内で初めて導入しました。知識を応用していく能動的な学習法を重視しています。

5・6年次では臨床実習、診療参加型の実習を行っていきます。学生が医療チームの一員に入って患者さんの診察を行います。医療面接・治療計画の策定・カルテへの記載・医療スタッフへの連絡などの実際の診療に関わっていきます。医師としての思考や技能だけでなく、患者さんの社会心理背景も学習していきます。将来は病気だけを診るのではなく、人を診ることのできる診療医になるための訓練をしっかりと行っていきます。

出典:高知大学医学部HP

研修制度

高知大学医学部の研修プログラムは一般プログラム・内科重点・外科重点・小児科重点・産婦人科重点などのコースに分かれます。

一般プログラムコースは幅広い研修を行って基本的な診療能力を身に着けたい方向けのコースとなっています。1年次は内科3科を6か月、麻酔科を1か月、救急科を2か月、外科を1か月、小児科を1か月、産婦人科を1か月で合計12か月。2年次は精神科を1か月、地域医療を1か月、一般外来を1か月、自由選択を9か月で合計12か月で行います。

内科重点コースは内科医の基本理念と専門研修を見据えたコースです。1年次は内科3か月、専門内科を3か月、麻酔科を1か月、救急科を2か月、外科を1か月、小児科を1か月、産婦人科を1か月で合計12か月。2年次は精神科を1か月、地域医療を1か月、一般外来を1か月、内科を3か月、専門内科を3か月、自由選択を3か月で合計12か月で行います。

外科重点コースは外科医の基本理念と専門研修を見据えたコースです。1年次は外科・心臓血管外科・呼吸器外科を5か月、内科3科を6か月、麻酔科を1か月で合計12か月、2年次は救急科2か月、小児科1か月、産婦人科1か月、精神科1か月、地域医療1か月、一般外来1か月、自由選択(外科を優先していただきます)5か月の12か月で行います。

小児科重点コースは小児科医の基本理念と専門研修を見据えたコースです。1年次は内科3か月、専門内科を3か月、麻酔科を1か月、救急科を2か月、外科を1か月、産婦人科1か月、精神科1か月で合計12か月。2年次は地域医療1か月、一般外来1か月、小児科3か月、自由選択(耳鼻咽喉科は研修していただきたいです)7か月の12か月で行います。

産婦人科重点コースは産婦人科医の基本理念と専門研修を見据えたコースです。1年次は内科3か月、専門内科を3か月、麻酔科を1か月、救急科を2か月、外科を1か月、小児科1か月、精神科1か月で合計12か月。2年目は産婦人科2か月、新生児集中治療室2か月、地域医療1か月、一般外来1か月、自由選択(産婦人科施設など)6か月の12か月で行います。

出典:高知大学医学部卒後臨床研修案内PDF

部活動

高知大学医学部の部活動を紹介します。体育系サークルと文化系サークルとに分かれています。

体育系サークルは居合道部・合気道部・弓道部・空手道部・剣道部・硬式テニス部・サッカー部・ゴルフ部・サッカー同好会・柔道部・卓球部・準硬式野球部・ラグビー部・バレーボール部・バスケットボール部・バドミントン部・ヨット部・水泳部・ダイビング部・ワンダーフォーゲル部・自転車部・ソフトボール部・陸上競技部などがあります。

文化系サークルはアウトドアHAMサークル・アジア僻地医療支援会・英語研究会・囲碁将棋部・映画研究会・心臓救命グループ南国・合唱団・小原流華道部・管弦楽団・漢方研究会・軽音楽部・裏千家茶道部・写真部・ジャズ研究会・ダンス部・天文部・パソコンサークル・PEER部・医学部写真部・フィールド医学研究会・ボランティア部・メンタルヘルスクラブ・精神医療・地域医療研究会・災害医療研究会などがあります。

出典:高知大学医学部HP

連携病院

高知大学医学部の連携病院を紹介します。

高知赤十字病院(高知県高知市秦南町)
高知医療センター(高知県高知市池)
高知県あき総合病院(高知県安芸市宝永町)

その他県内・四国周辺に学生実習などを受け入れてくれる医療機関は多数あります。

出典:日本救急医学会・救急医を目指す君へ

著名な卒業生

高知大学医学部の主な卒業生(開業医)の方をを紹介します。

高岡誠人氏(総合内科専門医・高岡内科院長)
北垣毅氏(総合内科医・北垣会たけしファミリークリニック院長)
横井健治氏(内科医・よこい内科クリニック院長)
西野好則氏(泌尿器科医・西野クリニック院長)
橋本三穂氏(心療内科専門医・はしもと心療内科クリニック院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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