名古屋大学の医学部の歴史・カリキュラム・研修制度・主な卒業生も紹介!

公開日:2020年11月26日
更新日:2024年3月18日

はじめに

名古屋大学医学部では人類の健康の増進に寄与していくための先端的な医学研究を進めていきます。そこから新たな医療技術を創成していきます。

医の倫理を尊重して人類の幸福に貢献していくことを誇りにする医学研究者や医療人を育成していきます。

医学研究や医療の両面にわたって諸施設と共同をして、地域社会の医療の質を高めるとともに我が国及び世界の医療水準の向上に資していきます。

医学研究者及び医療の中軸として機能していくために人的かつ社会的な資源を有効に活用していきます。そこで世界的に開かれたシステムを構築していきます。

出典:名古屋大学医学部HP

住所

名古屋大学医学部の所在地は愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65にあります。鶴舞駅から徒歩7・8分程度で着きます。名古屋駅から数キロでさらに電車1本。20分あればほぼ確実に着きます。

出典:名古屋大学医学部HP

入学金・学費

名古屋大学医学部の学費を紹介します。

1年次は入学金は282000円、授業料は535800円で合計が81万7800円

2年次から6年次は授業料が535800円×5年間=267万9000円

合計が81万7800円+267万9000円=349万6800円

6年間で350万円程度と他の学部と同額です。4年間が6年間になるということで授業料の2年分の107万円程度が追加されるだけです。国立大学医学部の魅力はやはり授業料といえます。

出典:医学部受験マニュアル

偏差値

67.5

国立医学部の中でも高い方に入ります。神戸大学医学部・奈良県立医科大学医学部・横浜市立大学医学部などと同レベルです。ただ国立大学医学部に関しては基本的に容易に合格できるところはありません。しっかりとした勉強が必要であることは言うまでもありません。

出典:河合塾医進塾HP

倍率

19年度は一般入試3.1倍、推薦入試1.9倍、全入試2.7倍。ちなみに18年度は一般入試2.9倍、推薦入試2.1倍、全入試2.7倍。

出典:旺文社HP

医師国家試験合格率

2020年:全体91.5%(全国59位タイ)新卒93.3%(全国68位タイ)既卒70.0%(全国45位)
2019年:全体91.7%(全国30位タイ)新卒94.6%(全国35位タイ)既卒55.6%(全国50位タイ)
2018年:全体91.1%(全国45位)新卒97.3%(全国13位タイ)既卒33.3%(全国76位)
2017年:全体90.1%(全国38位タイ)新卒94.5%(全国30位タイ)既卒45.5%(全国61位タイ)
2016年:全体95.3%(全国15位タイ)新卒98.3%(全国11位タイ)既卒55.6%(全国51位タイ)

出典:医学部受験ラボHP

歴史

名古屋大学医学部の歴史を紹介します。

1873年11月:医学講習場を設置

1876年4月:公立医学講習場と名称を変更

1878年4月:公立医学校と名称を変更

1881年10月:愛知医学校と名称を変更

1901年8月:愛知県立医学校と名称を変更

1903年7月:愛知県立医学専門学校として新しく発足

1914年3月:昭和区鶴舞町に新築移転

1920年3月:愛知医科大学の設置

1931年5月:官立名古屋医科大学と名称を変更

1939年4月:名古屋帝国大学医学部の発足

1944年4月:名古屋帝国大学附属医学専門部と名称を変更

1946年4月:名古屋帝国大学環境医学研究所を設置

1947年10月:名古屋大学附属医学専門部と名称を変更

1949年5月:新生の名古屋大学医学部の誕生

2000年4月:医学部の大学院重点化を行う

2002年4月:医学研究科を医学系研究科に名称を変更

2013年4月:医学系研究科の4専攻を総合医学専攻として再編

2019年4月:医学系研究科の3専攻を再編して総合保健学専攻を設置

出典:名古屋大学医学部HP

特徴・教育目標

名古屋大学医学部の教育目標は論理的な思考力と創造力の養成です。医学部医学科では科学的な論理性と倫理性・人間性が豊富で豊かな創造力と独創性さらには使命感を持って医学研究や医療を普及してくれる方を育てていくことです。

1年次から2年次の前半にかけての全学教育科目、2年次から3年時にかけての医学専門科目や基礎医学セミナー、4年次の社会医学の講義及び実習、5年次から6年次の臨床実習という形で授業が行われます。

2年終了時までに全学教育科目をすべて履修すること、3年終了時までに基礎医学系の科目をすべて履修すること、4年次終了までに臨床系科目をすべて履修すること・共用試験に合格すること。1つでも要件を満たせない限りは1年の留年になります。

国家試験を受かって卒業できればほぼ就職できる・入学は難しいけど後にその価値をすごく感じることができる・研究施設や講義室が充実している・英語の授業が多い・生徒のレベルも高く先生も自主性尊重・男子生徒が多い・部活動も盛んで自然豊か・先輩にも人格者が多い・理系や医学系は優秀な先輩が多いなどの学生の意見があります。入学できると多くのメリットを得ることができそうです。

出典:名古屋大学医学部HP

カリキュラム

名古屋大学医学部のカリキュラムは1年次に全学教育科目と医学入門、2年次に全学教育科目の続きと基礎医学、3年時に基礎医学の続きと基礎医学セミナー、4年次に社会医学の講義及び実習と臨床医学、5年次に臨床実習、6年次は選択型の臨床実習と卒業試験という内容になっています。

全学教育科目

全学教育科目は本部の東山キャンパスで行います。総合大学としての特徴を生かして幅広い知識を修得して豊かな教養と人間性を培っていきます。理系科目では数学・物理学・化学・生物学を系統的に学習します。基礎セミナーは設定されたテーマについての文献の調査や資料の検討を行っていきます。フィールドワークなども含めてその結果を発表していきます。

文系科目では外国語の能力を高めて異文化交流を深めていきます。そこから国際社会にふさわしい教養を身に着けていきます。また社会系科目では現代社会が直面する基本的な現象を学術的・総合的に分析していきます。

基礎医学・医学入門

鶴巻キャンパスで1年次から週1度午後に医学入門を履修します。医学への動機づけと医師としての将来を考えていく機会にしていきます。医の倫理・早期体験実習・分子生物学基礎の3つを学びます。

2年生になると医学専門科目を本格的に学んでいきます。基礎医学・社会医学・臨床医学の3つに分かれます。基礎医学は2年次から3年次前半まで続きます。人体器官の構造・生態の機能・生体と薬物・病院と病態・生体と微生物・免疫と生体防御などがあります。講義と実習を通して人体の構造と機能の正常と異常の差を学びます。また病理学実習では実際に亡くなった方の病理解剖を行うことで病気への理解を深めていきます。

3年時後半は基礎医学セミナーを中心に行います。講義室を離れて医学の研究を半年間行います。研究室に配属されて先生のもとで実験や研究を行います。そこからの研究成果を発表していきます。

社会医学

社会医学では環境労働衛生学・公衆衛生学・予防医学・法医学・生命倫理学・国際保健医療学・医療行政学の講義や実習を行います。健康が社会や環境の変化や様々な社会活動と密接な関連を持っていることを学びます。実習では少人数教育を積極的に行っていきます。地域や職域さらに国際社会においての個人の生活や生命倫理などと深く関係していることを学びます。

臨床医学

4年生からは臨床医学系の科目が中心になります。内科・外科・小児科などのチュートリアル教育を中心に行います。少人数のグループで討論をしながら症例を多角的に検討していきます。亡くなった方の病理解剖の診断を行う臨床病理学実習は5年次の臨床実習で行います。

臨床実習

5年生になると本格的な臨床実習が始まります。実際に患者さんに接していきます。5・6名のグループで大学病院の各科を1・2週ずつ回っていきます。また4週間の学外関連病院の実習を行います。

選択実習

6年生では医学科の最後の仕上げともいえる選択実習を行います。臨床の講座に数名程度のグループで配属されて学生は7週間ずつで2科ずつを体験していきます。指導医のもとで個人で患者を受け持って責任を持って医療を行っていくことを目的にしています。

出典:名古屋大学医学部HP

研修制度

名古屋大学医学部の研修制度は各々の方が各科をローテーしていきながら自分の興味や志向を基に自主的にコースを決めていきます。医療圏の中心地である名古屋大学の推薦を受けることができます。またアドバイスを受けていきながら研修後の職場が決まるというメリットもあります。総合内科・在宅医療・老年医療・救急医療の専門家が在籍していますのでこれらの方の助言を受けることができます。そこからさらに後期研修に行くという途もあります。

研修コースは総合内科研修・救急医療研修・麻酔科研修・外来研修などがあります。

総合内科研修は臓器という枠を超えてあらゆる疾患を管理していきます。老年内科及び多臓器疾患の病気を持っている高齢者の全身管理を学びます。

救急医療研修は総合診療および救急医療の専門家がバックアップして1次救急から3次救急までに対応しています。集中治療室研修も2年次に1か月行います。

麻酔科研修は1年次に3か月必須として学びます。標準化された臨床技能を専門家の管理下で学びます。

外来研修は1か月の総合診療科の一般外来研修を実施していきます。指導医がしっかりとバックアップしながら外来研修を行っていきます。

出典:名古屋大学医学部附属病院 卒後臨床研修・キャリア形成センターHP

部活動

名古屋大学医学部の部活動を紹介します。運動部と文化部があります。忙しい勉強の間を使ってサークル活動にも精を出しています。いい気分転換になる・人間関係を形成できる・好きなことに集中できるという一石三鳥のメリットがありそうです。

運動部はサッカー部・ラグビー部・水泳部・硬式野球部・準硬式野球部・硬式テニス部・ソフトテニス部・ゴルフ部・バスケットボール部・バレーボール部・バドミントン部・卓球部・剣道部・弓道部・スキー部・陸上競技部・ダンス部・ワンダーフォーゲル部・ハンドボール部・自転車部・釣り部などがあります。

文化部は混声合唱団・室内合奏団・軽音楽部・救済犬ライフサポート・東洋医学研究会・ぬいぐるみ病院などがあります。

出典:名古屋大学医学部HP

連携病院

名古屋大学医学部の連携病院を紹介します。

名古屋市立東部医療センター(名古屋市千種区若水)
国家公務員共済組合連合会東海病院(名古屋市千種区千代田橋)
社会医療法人愛生会・総合上飯田第一病院(愛知県名古屋市北区上飯田北町)
名古屋第一赤十字病院(名古屋市中村区道下町)
独立行政法人国立病院機構・名古屋医療センター(名古屋市中区三の丸)
国家公務員共済連合会名城病院名古屋市中区三の丸)
愛知県がんセンター(名古屋市千種区鹿子殿)
名古屋記念病院(愛知県名古屋市天白区平針)
名南病院(愛知県名古屋市南区南陽通)
中京病院(愛知県名古屋市南区三条)
豊田厚生病院(愛知県豊田市浄水町伊保原)
トヨタ記念病院(愛知県豊田市平和町)
豊橋市民病院(愛知県豊橋市青竹町字八間西)
岡崎市民病院(岡崎市高隆寺町字五所合)
一宮市立市民病院(愛知県一宮市文京)
小牧市民病院(愛知県小牧市常普請)
大垣市民病院(岐阜県大垣市南頬町)
土岐市立総合病院(岐阜県土岐市土岐津町土岐口)
市立四日市病院(四日市市芝田)
浜松医療センター(静岡県浜松市中区富塚町)

出典:名大ネットワークHP

著名な卒業生

名古屋大学医学部出身の主な開業医の方を紹介します。

赤塚元氏(消化器循環器内科・赤塚クリニック院長)
石田雄二氏(内科医・いしだクリニック院長)
渡邉浩次氏(胸部外科医・渡辺医院院長)
寺西克仁氏(内科循環器科医・寺西心臓血管クリニック院長)
折茂謙一氏(内科医・折茂医院院長)

出典:病院検索ホスピタ

笠浪 真

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢52人(令和3年10月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

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