はじめに

美容皮膚科の開業医の年収はだいたい3600万円程度ではないかと思われます。美容整形外科の年収の平均が4000万円超・一般の皮膚科の年収の平均が2600万円超となっており、美容皮膚科はどちらかというと美容整形外科に診療の内容が似ていますので、美容整形外科の年収に近いようです。

美容皮膚科は保険診療・自由診療の両方の診療を行います。皮膚の治療を目的としたものは保険診療、皮膚の美容を目的にしたものは自由診療という扱いになります。

また、美容皮膚科の多くは東京・横浜などの大都市を中心とした比較的大きな都市にあります。地方都市は基本的に美容というよりも治療を目的とした皮膚科の需要が多いため、美容皮膚科は都市部に多い傾向が出てきます。

美容皮膚科は若い女性や中堅世代の女性が美容目的で来ることが多く、「就職したい・彼氏がほしい・みんなにキレイに見られたい」というニーズに応える施術となるため、自由診療で高額な費用を取る医院も多くなっています。

勤務医の年収との比較

美容皮膚科の勤務の年収も、美容整形外科ほどではないにしてもかなり高くなっています。医師3年目くらいで研修医を卒業したばかりの医師でも1200万円程度をもらっている方も多いようです。さらに経験を積んで30台前半から半ばくらいの医師で2000万円程度の収入を得ている方もいます。年収の高さは、美容皮膚科の魅力の一つと言えるでしょう。

自由診療を扱えるというところと、収入の上では業界の縛りが少ない美容皮膚科はとても大きな魅力といえます。勤務医でもかなりの年収が期待できます。

施設ごとの皮膚科の勤務医の年収

施設ごとの美容皮膚科の勤務医の年収は大病院、一般病院、クリニックなどで異なっています。大病院が最も収入が低く、クリニックがその次で、一般病院が最も年収が高くなっています。

また、美容皮膚科は都市部に多くありますので全体的な年収も高めになります。医師の年収は、地方が高く都市部が低くなる傾向があるのですが、美容皮膚科や美容整形外科は病院というよりも営利を追求する企業というイメージに近く、そうなると都市部の方が年収が高くなるのも頷ける気がします。

美容皮膚科の場合は地位を考えるなら大規模な病院でもいいのですが、どちらかといえば年収を重視している方が多いのではないかと思われます。そうなるとあまり規模の大きくない病院を狙うのもありかもしれません。

美容皮膚科の都道府県別の開業医の年収

美容皮膚科の都道府県ごとの開業医の年収自体のデータがないので現在調査中です。

ただ、医師全体の年収で見ると岩手や宮城などの東北地方が高く、富山や福井などの北陸地方で低めになっています。医師の需要度や医師の平均年齢が高い地域では、比較的年収が高い傾向にあるようです。

サラリーマンや自営業者などの年収の高い東京・大阪・神奈川・愛知といった地域でも決して高い方ではありません。「一般人が稼げる地域=医師が稼げる地域」という構図は基本的に当てはまりません。

開業には少なくても7000万円程度はかかりそう

開業医として病院の勤務医から医院を開業するとなると、少なく見積っても7000万円程度、通常で1億円以上の開業資金が必要になりそうです。

美容皮膚科を開業するとなると、土地や建物などの箱物が必要になります。そこに加えてレーザー治療器などの高価な機器一式もそろえなければなりません。

さらに、看護師やレントゲン技師などの専門家も必要になります。それでも手が足りずに家族などに受付や会計などの事務を手伝ってもらう必要が出てくるかもしれません。

そして、自由診療の美容皮膚科は高額の治療になるため、患者さんの満足度を上げるべく内装・外装にも費用をかけたほうが良いでしょう。

開業医になると経営者になります。最初は銀行からの借り入れも必要になります。ある程度医院が稼げるようになってもスタッフの給料と借り入れの返済で、開業医自身の報酬がほとんど手元に残らない可能性も高くなります。

勤務医時代と変わらず忙しいにもかかわらず、年収は勤務医時代の数分の1になってしまう方も多くいるのではないかと思われます。

実際に都市部の開業医は、開業後2年から数年で医院をたたんでもう一度勤務医に戻ってしまう方も多くいます。

開業をするにはかなりの決心と覚悟が必要になります。

病院も患者もビジネスという感覚が必要

美容皮膚科の医師の仕事は脱毛・美白・アンチエイジングなどの皮膚の表面的な手術やカウンセリングを行います。また痩身などの要望にも応えていきます。

たしかに、美容皮膚科の手術が成功をすれば他人からの見栄えが良く見えるということは間違いありません。ただ手術はそれなりに成功しても肌が突っ張る・たるむなどの悩みが残る可能性があり、術後もリスクが伴います。

美容皮膚科の施術は医師の方にとってかなりのリスクがあります。患者数が見込める院であれば、慎重に慎重を期するくらい患者さんを選ぶ、というくらいの気持ちでいいのではないかと思われます。

医師としてはこのようなトラブルにあまり巻き込まないようにすることが最善です。訴訟などで賠償などを逃れたとしても、患者さんにこのような印象を多く植え付けられてしまう事はあまりいいことではありませんし、精神的にも大きなダメージを受けてしまいます。

このようなことにならないためにも、手術前の丁寧な説明・技術を伴った確実な手術・術後のフォローなどをしっかりと行って、患者さんのリスクと不安を極力小さくするという努力は当然必要になってくるでしょう。

美容皮膚科の開業医・勤務医はたしかに収入が大きいという点では魅力があります。収入を重視しているのであれば、この美容整形外科・美容皮膚科を狙うという選択は合っているのではないかと考えています。ただこのようなリスクも覚悟しておきましょう。

また、美容皮膚科は手術の腕はもちろんのこと、やはり集患ができるかがポイントになります。女性の口コミなども大事になってきます。良いく口コミが集まれば信用が生まれ、たくさんんの患者さんが来院されるという流れを作ることができます。

医師・開業医として当たり前のことそして基本的なことをしっかりとできるか。このあたりが美容皮膚科の開業医として成功できるかのポイントになってきそうです。

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プロフィール
笠浪 真

税理士法人テラス 代表税理士
税理士・行政書士
MBA | 慶應義塾大学大学院 医療マネジメント専攻 修士号

1978年生まれ。京都府出身。藤沢市在住。大学卒業後、大手会計事務所・法律事務所等にて10年勤務。税務・法務・労務の知識とノウハウを習得して、平成23年に独立開業。
現在、総勢42人(R2年4月1日現在)のスタッフを抱え、クライアント数は法人・個人を含め約300社。
息子が交通事故に遭遇した際に、医師のおかげで一命をとりとめたことをきっかけに、今度は自分が医療業界へ恩返ししたいという思いに至る。

医院開業・医院経営・スタッフ採用・医療法人化・税務調査・事業承継などこれまでの相談件数は2,000件を超える。その豊富な事例とノウハウを問題解決パターンごとに分類し、クライアントに提供するだけでなく、オウンドメディア『開業医の教科書®︎』にて一般にも公開する。

医院の売上を増やすだけでなく、節税、労務などあらゆる経営課題を解決する。全てをワンストップで一任できる安心感から、医師からの紹介が絶えない。病院で息子の命を助けてもらったからこそ「ひとつでも多くの医院を永続的に繁栄させること」を使命とし、開業医の院長の経営参謀として活動している。

                       

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